医師が語るドライアイの症状と治療法

ドライアイとは

ドライアイとは目を潤わす涙の量が不足や、涙の質が悪くなることによって、涙が均等に行きわたらなくなる病気であり、目の表面(角膜)に傷や痛みなどを生じる病気です。涙の量や成分の異常により乾燥した状態が慢性的に続いている状態です。

例えば、瞬きをしないで目を見開いていると、30秒も経過しない間に痛くなりますよね。
ドライアイになると、この瞬きをしていない状態と同じことが慢性的に生じます。特に、エアコンの使用、パソコンやスマートフォンの使用、高齢化によるものやコンタクトレンズ装用者の増加に伴い、ドライアイになる人が増えており、その数は約2千万人ともいわれています。

ドライアイの症状

ではドライアイの症状ですが、皆さんはどんな症状を思い出すでしょうか?
多くの人は目がコロコロする、痛くなる、重たい感じになる、疲れやすい、充血すると言った症状を思い浮かべるのではないでしょうか。

ドライアイになると上記の症状が生じますが、それ以外に大変驚かれるのですが、涙がよく出る(涙目になる)と言った症状も生じます。
ではどうして涙目になるのでしょうか? 

その説明には下の画像を用いて説明します。
下記の画像は目も表面を特殊な染色液で染めて青色のライトで観察している画像です。右端の画像が正常の人の写真です。正常の場合、目の表面が均一に青緑に染色されており。しかしドライアイになると砂粒のような点状のスポットが無数に出てきます。これは点状表層角膜炎と言われており、ドライアイによる目の表面の傷です。実はこの目の表面の傷を修復するために涙を出そうとしているのです。

ドライアイの画像

ドライアイの治療

ドライアイの治療には点眼加療によるもの、涙点プラグによる治療が一般的です。
実は涙は外側から順に、油層・涙液層・ムチン層の3層構造からなっています。
いずれかの層が不足すると涙の安定性が低下し、目の表面に定着しなくなります。そこでムチンの分泌を促し、涙そのものの量を増やす点眼薬や、保湿を目的として、ヒアルロン酸を含む保湿効果の高い点眼薬を用います。次に涙点プラグの治療ですが、これは涙を目から鼻にかけて吸収する通路(涙道)を小さなシリコーン製のプラグ栓で塞ぐことにより、涙の排出を止めて目の表面に涙を溜めます。(下図参照)
また、非常に稀ですが上記の治療を行っても治らない場合は涙の栄養分が足りないことが多く、自己血清点眼という治療を行うこともあります。
自己血清点眼とは患者さんから採血を行い、採取した血液を遠心分離させ上澄みにできる淡黄色の成分を希釈して点眼します。
血清には多くの涙液と同等かそれ以上の生理活性物質が含まれており、治療効果があることが知られております。

では、最後にドライアイのことで患者さんによく質問されることについてQ&Aという形で簡略的に述べたいと思います。

よくあるご質問とその回答

Q1:処方されている点眼の他に市販の点眼も追加でしたいのですが、どのようなものがよいのでしょうか?
A1:処方されている点眼に加えての追加になると、防腐剤が入っていない点眼が望ましいです。防腐剤が入っていると頻回点眼を行うことによって目の表面に傷がつくことがあります。

Q2:ドライアイにならないための対策を教えて下さい。
A2:ドライアイは先程述べたようにエアコンの使用、パソコンやスマートフォンの長時間の使用、コンタクトレンズの長時間の使用によることが多いです。エアコンの場合ですと、直接風が当たる場所を避けることや加湿器などの利用、パソコンの場合は1時間毎に10分程度の休憩が望ましいとされています。また、コンタクトの場合は特に必要の無い場合には眼鏡を用いることも大切です。

Q3:ドライアイの治療に目を温めるとか効果があるでしょうか。
A3: 瞼の縁には涙の中に油を出すマイボーム腺というものがあります。この場所を少し温めることで分泌が良くなり、涙の性質も良くなりドライアイ治療にも有効であることが知られています。